宝物の文房具は白いノート

幼い頃から絵を描いたり、作文を書いたりすることが好きだった私は、いつも文房具がそばにありました。
一概に文房具とはいっても、その種類は膨大で、文房具屋さんに一日いて眺めていてもあきないほど、文房具が今でも大好きです。

昔から文房具には、使う人をおもいやる「工夫」がなされてきたからこそかもしれません。
幼少時にはやった「においつき消しゴム」。コーラやチョコレートなどのにおいがして、きらいな算数の宿題も、文房具箱が開きたくなって、開いたらにおいをかいでつかいたくなって、いつのまにか終わらせることができたり。
また、「ロケット鉛筆」といって、えんぴつの先のような鋭利な「替え芯」がペンの中にあらかじめにびっしり詰まっていて、普通のえんぴつのように削る必要がなく、芯の先が丸くなってきて替え芯を使う瞬間などは、ちょっぴり大人になったような、なにかとても大切な作業ができるようになった気がしました。
ノートにもとても楽しみがありました。小学生のころ、女の子同士の誕生日のプレゼント交換は、たいてい「鉛筆とノートのセット」でした。
ノートは、当時流行していたアニメのキャラクターのものから、イチゴ柄、可愛い動物の写真など、子供心をくすぐるものばかりでした。

そうして幼少期を過ごしてきた私にとって一番衝撃的な「文房具」との出会いは、「自分ノート」などといわれたりする、表紙も中身も真っ白なノートでした。
スケジュール帳でもなく、勉強するためのものでもなく、日記をかくための日付欄などもない…。
ただ自分が「なんのノートにするのか」決めるノート。
今までいろいろな柄で工夫されたノートは見てきたけれど、なんてシンプルなんだろう。
そして私なら、どんなことを描くだろう…。戸惑いながら試しに購入したノートの中は、本当にきれいな白で、なんだか線を書いたりすることが汚してしまうと思うほどでした。

だから、自分の一番お気に入りのシャーペンで、思い切って、まず購入した日付をかきました。
うーん。ここから何を書くかで、このノートが「何ノート」になるかが決まる…。優柔不断で貧乏性な私は、そこから何も書くことができず、今もノートは日付以外真っ白なまま。
いつか、ここにかくべきだ!と思える大切で重大なことがあったとき、とっておきのペンで、この白いノートに書こうと思って大切にしています。

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